晩秋

割とあったかかった、今日。
仕事を終えて、用足しに隣町へ。
昨日RZ走らせたんで、今日はninja。
冬支度に着替え、駐車場から引っ張り出し、おもむろにセルを回す。
昨日RZの整備ついでにこいつのガス漏れも直しといた。
ガウォン、ウォボボボと決行機嫌よくお目覚め。
帰宅時間を過ぎた田舎のバイパスは、もう長距離トラックのレールになってた。
いつものように、数回のレーンチェンジで目の前が開ける。
じわりとスロットルを開き、十分にシリンダーへ混合気を送り込んでやる。
タコメーターのステップにあわせてスピードメーターの針もフレを増す。
着込んだジャケットの隙間から、晩秋の冷気が入り込んでくる。
また冬がくるんだ。冷たく乾いた大気の香りに夜露のエッセンスを加えた、自然のスペシャブレンド
こんな味の液体が在ったら最高なんだけどな。
1人そんなことを思いながら、気がつくと目的の場所は通りすぎてた。
いいや、明日で。
開き直って再びアクセルを開ける。
びりびりと風切音が増し、出来の悪い直4のエキゾーストノートを遮って行く。
何も考えず、ただ走るだけ。
この寒空に、

好きだから。